
顧客起点ができると、“売らないのに売れる”が起こる理由
「なぜか、あのお店は売り込んでこないのに、行きたくなる」
「なぜか、あのスタッフから買いたくなる」
そんな経験はありませんか?
実は、そこには「売らないのに売れる」という状態が生まれているのです。
そしてそれは、決して偶然ではなく「顧客起点」ができているからこそ、起こる現象なんです。

●売ろうとするほど、売れなくなる矛盾
商いに関わる人なら誰もが経験します。
「売らなきゃ…!」と思っているときほど、売れない。
逆に、「喜んでもらえたら嬉しいな」と思って接していると、売れていく。
この違いは、どこから来るのか?
ポイントは、「主語」にあります。
●主語が「売り手」になっていないか?
売れないと悩む人は、いつのまにか
「商品を紹介しなきゃ」
「数字をつくらなきゃ」
「伝えたいことを、ちゃんと伝えなきゃ」
というように、主語が自分になっています。
一方、売れる人は、
「この人、何に困ってるんだろう?」
「どんな気持ちで来てくれたんだろう?」
「何か少しでも喜んでもらえることは?」
と、相手からスタートしている。
この差が、「売る」ではなく「売れていく」の違いなんです。
●事例①:古着屋スタッフの気づき
古着屋さんのスタッフが、ずっと売上に悩んでいました。
でもある時、「どうしたら売れるか」ではなく、
「このお客様、何か話したいのかな?」と接してみたそうです。
すると、
「前に買った服がすごく良くて…」という会話から盛り上がり、
「実は今日はちょっと気分転換に来たんです」と話してくれました。
その日の売上は、目標を大きく超えました。
でも、スタッフ本人は「売った感じがしない」と言っていたのです。

●事例②:ネイルサロンの予約が自然と埋まる理由
別のサービス業の話。
あるネイルサロンのスタッフは、Instagramに「技術」よりも
「お客様の“気持ちの変化”」を載せるようにしたところ、
クチコミが増えて予約が埋まりはじめました。
たとえば、
「手元を見て笑顔になってくれたのが印象的でした」
「転職を前に、爪先から気持ちを整えに来てくれた方のネイル」
こんな投稿が「共感」を呼んだのです。
これも「売る」ではなく、「届く」「伝わる」ことを意識した結果なんです。
●売らないのに売れる──それは「共感」の力
「売らないのに売れる」状態は、魔法でもテクニックでもありません。
・相手の立場から始める
・共感をもって関わる
・伝えるより、まず“聴く”
これが「顧客起点」の本質です。

この”顧客起点”には、売上も空気も変えていく力があります。
顧客起点ができるようになると、数字も変わります。
でもそれ以上に、現場の空気が変わるんです。
「売れた」ではなく、「喜んでもらえた」
「接客した」ではなく、「会話ができた」
「伝えた」ではなく、「聴けた」
そんな感覚が積み重なると、自然と売れるようになるのです。
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