
「顧客起点の“考え方”と“行動”は、すべての場面で活かせる」
「コト売り」でずっと伝え続けてきたことがあります。
それが、「顧客“視点”ではなく、“顧客起点”で考える」
という考え方です。
「視点」とは、“お客様になったつもり”で考えること。
「こう見えているだろう」「こう思うだろう」──つまり想像の世界です。
一方、「起点」とは、
お客様の“実際の声や行動・感情”を出発点にすること。
この違いが、商いの結果に大きく影響するんです。
そして、この考え方はPOPやSNS投稿のような販促ツールに限りません。
・売場づくり
・スタッフミーティング
・会議の議題
・経営戦略や商品開発 …
どんな場面でも、“お客様の感情や言葉”を出発点にするだけで、行動が変わるのです。
事例①【アパレルショップの朝礼】
アパレル店で、以前は売上や在庫情報の共有だけで終わっていた朝礼。
そこに「昨日のお客様のひとこと」を持ち寄るようにしたんです。
ある日、スタッフがこう話しました。
「昨日のお客様、試着して“これ、かわいいけど私には若すぎるかも…”ってつぶやいてて。」
この言葉をきっかけに、その日のおすすめトークが変わりました。
「落ち着いた色味で、大人っぽく着こなせるアイテム、いくつか揃ってますよ^^」
お客様の「気持ち」から始まる接客に変わり、
売上よりも先に笑顔が増えたと、店長は話してくれました。

事例②【飲食店のメニュー開発会議】
ある飲食店のメニューリニューアル会議。
これまでは「売上が悪いメニューを下げて、人気商品を増やそう」という議論が中心でした。
でも、その日はホールスタッフが言いました。
「最近、“野菜をもっと食べたい”って言うお客様、けっこう多いんです。」
そこから、「食べごたえのあるサラダプレート」や「野菜が主役の定食メニュー」など、
お客様の声を起点にした新メニューが生まれ出したのです。
結果は──
客単価が上がり、徐々にリピーターも増えました。

「売上のため」ではなく「お客様の声のため」に動く
どちらの事例も、「数字」や「自分たちの事情」からではなく、
お客様の“気持ち・言葉”から始めたことで、結果的に売上もついてきました。
僕が伝えたいのは、これだけです。
顧客起点の考え方と行動は、あらゆる場面に活かせる。
・販促にも
・商品企画にも
・チームミーティングにも
・スタッフ教育にも
「顧客の声から考える」
その“姿勢”だけで、大きく変わってきます。
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