
たとえば、あなたのお店で──
「ここ、前から気になってたんです」
「この商品、SNSで見てて」
「実はちょっと、相談したいことがあって…」
そんなふうに言ってもらえた瞬間はありませんか?
その言葉は、相手が「心を開いてくれた証拠」です。
つまり、感情が動いたサインなのです。
ここで大事なのは、その“一人の気持ち”に、どこまで応えられるかということ。

◆売上の始まりは、感情のキャッチボールから
僕はこれまで1600社以上の現場を見てきましたが、
“売れている会社”ほど、共通してやっていることがあります。
それは──
「たった一人のお客様の気持ち」に、深く寄り添っていること。
「この前のお客様が、こんなこと言ってましたよ」
「昨日相談に来られた方が、実はこんなことで困っていて」
「今日来られた方は、“自分に似合うものが分からない”って言ってたんです」
そういった“感情のかけら”をスタッフ間で共有しているんです。
◆ファンは、「気持ちに応えてくれた人」につく
たとえば、古着屋さんでの一コマ。
お客様「派手な服はちょっと苦手で…」
スタッフ「分かります、僕もそうなんですよ。落ち着いた色でも、ちゃんと自分らしさが出せる服、一緒に探してみませんか?」
こうして一緒に探した結果、ピッタリの一着が見つかり、
「またこの人に選んでもらいたい」と感じたそうです。
ここには、売り込みも、特別な技術もありません。
ただ、“気持ちに応えた”だけ。
でも、この体験こそが「ファンの原点」なのです。
◆「感情」が届けば、また来たくなる
あるカフェの事例です。
雨の日に来店された年配のお客様が、
「今日は気圧が低くて、ちょっとしんどくて…」とポツリ。
スタッフは特に売り込むことなく、
「この紅茶、ハーブ入りでリラックスできるんですよ」とやさしく差し出しただけ。
その数日後、同じお客様がまた来てこう言ったそうです。
「この前は気持ちが軽くなったの。ありがとう。あの紅茶、またいただけますか?」
リピートは、満足ではなく“感情”に触れたかどうかで決まる。
この事例が、そう教えてくれますね。
◆「一人の気持ち」をスタッフで拾い合う
スタッフにこんな問いかけをしてみてください。
・今日、どんなお客様の気持ちに触れましたか?
・その方は、どんな言葉や表情をされていましたか?
・その気持ちに、どう応えましたか?
たった一人のことでも構いません。
その一人に深く応えられた時にこそ、商いが育ちはじめるのです。
【まとめ】
売上の始まりは「たった一人の気持ち」に応えることから
感情に寄り添った体験こそが“ファン”を生む
売り込みより、“気持ちのキャッチボール”
その人の声・表情・言葉に応えることが、仕事の原点になる
