
「“伝える力”があってこそ、お客様を喜ばせることができる」
──ターゲット・感情・行動を見据えて伝えよう
「いい商品なんですけど、なかなか売れないんです」
これは、現場でよく聞く声です。
商品には自信がある。品質も悪くない。値段も適正。
でも、売れない。
その理由を、こう考えてみてください。
思いがあっても、「伝える力」がなければ、届かない。
「伝える力」には順番がある
私はこれまで22年間、現場の販促やPOP作成をお手伝いしてきました。
そこで分かったのは、「伝え方」には、順番があるということです。
【伝えるスキルの3ステップ】
① 誰に(ターゲット)
┗ 年齢や性別だけでなく、「どんな気持ちでお店に来たのか?」まで想像する
┗ 例:料理が苦手な主婦/最近ガーデニングを始めた初心者
①⁺①のターゲットは、 どんな“コト”を抱えているのか?
┗ 不安・不満・不便・興味・期待など
┗ 例:「育て方が分からない」「忙しいけど何か育ててみたい」
② 何を伝えるか
┗ 困っている人には「安心」を、
興味がある人には「ワクワク」や「発見」を届ける
③ どんな行動をとってほしいか
┗ 来店・試着・体験・予約・問い合わせなど、具体的なアクションを明確に伝える
伝え方が変わると、売り方が変わる
「伝え方の順番」が整うと、売場も変わります。
特に、POPの内容がまったく変わってきます。
たとえば、園芸店で「初心者向けの野菜苗」を売るとします。
【悪い例:モノ視点のPOP】

「夏野菜苗 入荷しました!」
これでは、ただの情報で終わります。
誰に向けているか、何を伝えたいのか、何をしてほしいのか、すべてが不明確です。
【良い例:顧客起点で伝えるPOP】
「はじめての家庭菜園、何から始めていいか迷っていませんか?
この夏、まずは“プチトマト”から!
毎日の水やりと、笑顔の食卓が待っています♪」
さらにPOP下に一言:
「育て方マニュアルあります。スタッフまでどうぞ!」

このように、誰に向けて/どんな感情に寄り添い/どんな行動を促すかが明確になると、
POPが「伝えるツール」から「お客様を喜ばせるツール」へと変わっていきます。
伝えるために、思いは大切です。
ただ、思いがあるだけでは、伝わりません。
「伝える力」があることで、初めて“お客様を喜ばせること”ができます。
商品力に自信があるのに売れないなら、
一度、伝え方の順番を見直してみてください。

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