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【“売れる人”は、商品を見ずに“人”を見ている】

2025/07/25更新:

 

「あれ、このお客様、さっきとちょっと表情が違うな…」

先日、あるアパレルショップの店員さんが、そう小さくつぶやきました。

お客様は、ずっと鏡の前で同じ服を当てていました。

手に取っては戻し、また手に取る。

けれど視線は、どこか泳いでいて落ち着きません。

「実は、こういうときこそチャンスなんです」と店員さんは言います。

 

売れる人は、こういう瞬間を見逃しません。

“商品”ではなく、“人”を見ているから。

ちなみに、

「売れる人って、どんな人ですか?」と聞かれたら、

私はこう答えます。

「お客様の表情や、声のトーン、立ち止まり方を見ている人」

売れない人は、商品を見ています。

商品のスペック、価格、メリットを一生懸命伝えます。

それも大事なことです。

でも、それだけでは足りません。

人が買うのは「安心」や「自信」

人がものを買う理由は、スペックだけではありません。

 

その奥にあるのは──

・本当に似合うか不安

・買って後悔しないか心配

・自分に必要なのか分からない

そんな感情の揺れです。

さきほどの店員さんも言いました。

「この服が似合うかどうかを一番知りたいのは、お客様自身なんです。
でも不安だから、何度も鏡を見ちゃうんですよね」

商品を見ずに“人”を見た結果

その店員さんは、そっとお客様に声をかけました。

「実は、その色、お客様の髪色とすごく相性いいですよ。
私が見ていても素敵だなと思いました。」

お客様はパッと表情を変え、笑顔になりました。

そしてその服を、レジへ持ってきてくださったのです。

「その服が欲しかった」のではありません。

「自分に似合う」と背中を押してもらえたことが、買う決断につながったのです。

コト売りの基本は、

・誰に、どんなコトができるのか

・それが、どうしてできるのか

 

でも、さらに大切なのは──

「その人は今、どんな感情でそこに立っているか?」

これを知ろうという姿勢です。

 

POPを作るときも、SNSを書くときも、接客するときも──

「お客様がいま、何に迷っているか」

「どんな言葉をかけられたら、ホッとするか」

「どんな背中を押してほしいのか」

ここを見ているかどうかで、商いの景色は大きく変わります。

 

商いは、商品の知識を伝えることではありません。

「あなたをちゃんと見ていますよ」という安心を届けることだと思うのです。

今日、あなたが接するお客様は、

どんな感情を抱えているでしょうか?

“売れる人”は、商品を見ずに人を見ています。

それは、商いのいちばん楽しくて、やりがいのある部分。

そう実感しています^^

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