「このアパレルメーカーいいでしょ」
そう言って、教えてくれたのはコトマーケティング協会の福本さん。
ご存じでしょうか?【ALL YOURS】というアパレルメーカーさんを
・基本の型は13のみ
・新しい型は4年に1度だけ
つまり、ほぼ同じ商品を売り続けているというメーカーさんです。
ホームページを見ると、オールユアーズの価値観としてこう書かれています。
オールユアーズの服は、着飾るためのものではありません。
オールユアーズの服は、主役で映えるためのものではありません。
オールユアーズの服は、他の誰かになれる服ではありません。それは、毎日着たくなる服。
それは、着ている人を助ける服。
それは、あなたらしくいられる服。流行にとらわれすぎず、あなたらしくいられるために。
自然と、日々の生活に溶け込むように。
永いあいだ、一緒にいられるように。
特別な日ではなく、日常をあなたと一緒につくりたい。
オールユアーズは、そんな服づくりを目指しています。
これを読んで、何を感じましたか?
僕自身は、
「これまでのアパレルの価値観とまったく違う、新しい価値観だ」
と、感じると同時に、
アパレルに関して持っていた「不」が解消された気がしました。
僕自身、大卒後は繊維業界にいたこともあり、
洋服は大好きですし、毎シーズン買います。
でも、ここ最近はほぼ買わなくなった。
その理由は、
「昨年まで、タイトな服が主流だったのに、
そのタイトな服が続くとダボっとして服が急に主流になるんだなぁ」
なんてことを、何度も感じることがあったから。
つまり、売り手側の勝手な主張に気付いたからです。
アパレルメーカーは「トレンド発信」が仕事
↓
トレンドは変わる
↓
だから新しいものを身に付けて欲しい
↓
だから、お客様は新しいものを買い続けるのが常識
こんな業界の常識に、
・ホントなの?
・売りたいだけじゃないの?
そんな風に感じていたのかもしれません。
もちろん、目新しさを追いかけることが必要な時期もあったと思います。
それを求めていた消費者が多かったこともあったと思います。
でも、時代は変わり、価値観が変わる中、
アパレルメーカーとしても、
いろいろな価値観を提供する時期に入ってきているのだと感じます。
もちろん、これはアパレルだけでなく、どの業種も同じです。
例えば、ホテル業を考えてみましょう。
ホテルと言えば宿泊する場所です。
宿泊するための場所という価値観ひとつだったら、
その中で、いかに快適に宿泊してもらうかという競争になる。
消費者の基準は年々上がってきて、それに応えるにはコストもかかる。
でも、違う価値観を提供できればどうでしょうか?
例えば、ホテル=宿泊する場所だけではなく、
「ホテル=本を楽しむ場所」としたらどうでしょうか?
そんなコンセプトで、いくつもホテルが立ち上がっています。
・ブックホテル神保町
https://bookhoteljimbocho.com/#section1
・ブックアンドベッド
https://bookandbedtokyo.com/ja/
こんな紹介&比較ページも
https://www.travel.co.jp/guide/matome/1734/
いかがでしょうか?
ホテルを利用する意味合いが、「泊まる⇒本を楽しむ」に変わるのです。
この価値観がいいかどうかは別にして、
間違いなく、新しい価値観と意味合いを提供しています。
僕自身は、間違いなく「新しい価値観の提供」が大切になってくる。
そう感じています。
なぜなら、日本は確実に成長期から成熟期に入っているから。
人口が増え、インフレに近い状態になると総需要が増えます。
需要が増えている状態なら、同じ価値観でお客様を取り合ったり、
シェア争いをするのはOK!だって需要が増えているんだから。
でも、今の日本を考えてみてください。
人口は2008年をピークに減り始め、2025年からは人口減は加速します。
そして20年以上続くデフレ状態。その上コロナ、物価上昇。
総需要がどんどん減っていっている中、
まだ一つの価値観で争い続けていていいのでしょうか。
あたらしい需要を喚起できるかできないか。
できた企業は繁栄するし、
できなかった企業は衰退する。
そんな時期に入ってきています。
どのようにして、新しい価値観を提供するのか?
その答えは、ひとつです。
・誰に、どんなコトができるのか
・それが、どうしてできるのか
これを考え続けることに他なりません。
さぁ、新しい価値観を提供しましょう!!
どの会社やお店にも、きっとできるはずです^^
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