大阪のある市の市長の話し。
市の財政がどんどん厳しくなってきているなかでの選挙戦で、
現職の市長と、革新派の候補者の一騎打ち。
選挙は、革新派の候補者の大勝で終わった。
「新しい市長なら、きっと市をよくしてくれる」
「どんどん変えていって、市を豊かにしてほしい」
そんな市民の願いを受けての当選だった。
1年目の支持率は過去最高。
その支持率を受けて、2年目に入り大きな改革に着手する。
市長は、
よりよい未来を想像し、目標を掲げ、コトバを選び、
必死に動き、支持者に訴えかけ、協力を仰いだ。
だが、改革は進むことなく支持率はどんどん下がる。
真剣に取り組めば取り組むほど、敵が多くなり、嫌われる。
間違いなく正しい方向を示しているのに、どうしてだろうか?
そんな市長に会って話をお聞きしたところ、
こんな答えが返ってきた。
改革を進めていくということは、
・何かを止めたり
・何かを省いたり
・どこかに負担を強いたり
・誰かに無理をしてもらったり
そんなことが必要になる。
それをきちんと説明し、お願いや協力をした。
そうした時に、自分の身にマイナス要素が降りかかってきたとたん
「これまで支持してやったのに」
「なんで俺たちが犠牲にならないといけないんだ」
といって、
「あの市長は信用できない!」
となって、支持者は減る。
本気で何かをしようとすればするほど、嫌われ、支持率は下がる。
自分以外の誰かが犠牲になっての改革はいいけど、
自分が犠牲になるのはイヤなのだ。
結果的に、年々改革を進めれば進めるほど支持率は低くなる。
だからこそ、政治家なんてのは何期も務めるもんじゃない。
限られた任期で、嫌われながらも、できることを黙々とこなす。
とにかくできることを、誰に何と言われようと目一杯チャレンジする。
市の未来の為に。
「それしかないんですよ」
そんな市長のコトバが、かっこよかった。
市は市民のものであり、市民が変わろうとしなければ何も起こらない。
市長は目標を掲げ旗を振る役目なだけ。
そういう事なんだなと思ったのです。
これって、いろいろな意味で会社も同じことが言える。
そんなことを市長の話を聞きながら強く思いました。
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