4月の緊急事態宣言から約5ヶ月が経ち、
ある意味、コロナ禍にも慣れ始めてきている私たち。
人も仕事もだんだん戻ってきていると感じる地域や業種業態もあれば、
まだまだしんどいという地域や業種もあるのも事実です。
そんな中で、3月中旬から観光業→飲食業→小売店→製造業→メーカーと
様々な業種業態の方と一緒にウィズコロナの商売を考え動いてきました。
その中で起こっているコト、やってきたコト、気付き感じたコトを
ここで一度まとめてみようと思いますので、よかったらお付き合いください。
まず最初は、間違いなく「新しい社会に入っている」ということ。
したがって社会も商売も、完全に元に戻ることはありません。
「そりゃそうだろう」
「えっ本当に??」
「そんな大げさな」
これについても、おそらく実感は様々なんじゃないかと感じています。
でもね、僕自身この時期も全国を動き回っていると実感することがあります。
・新幹線に人が乗っていない
・航空機は減便したまま
・山手線は、ラッシュ時でも6割の乗車率
・都内で予約の取れなかった店が、いまでは当日に入れる
そうなんです「人が動いてない」のです。
人が動かないとどうなるか?
「需要の減少」が確実に起こってきます。
現実問題として、新築の着工棟数の予測はこのような状況です。
新設住宅着工数はそれぞれ2020年は73万戸、2021年は74万戸と推計され、
いずれもリーマンショック時の水準(78万戸)を下回る見込みとなっていたりする。
他の業界ごとでみると、
自動車の新車販売数は7月以降も昨年対比約8割
写真館は平均7割
ガソリンスタンドは平均7割
もちろん、飲食店や観光業に至っては6割を切るところが多いのが現状です。
外食に行こうと思うかどうかの調査を見てもこの通り
(出典:https://dime.jp/genre/977399/)
結果、大手の小売りや飲食チェーンなどは、軒並み閉店を余儀なくされています。
でも反面、このような会社やお店もあります。
姫路の自動車整備工場では、4月5月の新車登録はほぼ無かったと言いますが、
7月や8月は概ね昨年並み(昨対103%)の新車登録があった。
岐阜の写真館では、3月や4月の卒業・入学の写真撮影はキャンセルになったが、
6月や7月にキャンセルした7割以上の人が撮影に来てくれた。
岡山のガソリンスタンドでは、4月はガソリンの販売量が目減りしたものの、
6月以降は車の不具合の相談もありお客様は来場してくださっている。
関西を中心に30店舗を展開されているラーメン店は、4月は売上げが落ち込んだものの、
3月から8月のトータルで昨年対比120%になっている。
これだけ見ると「戻ってきてる」という感じを受けるかもしれません。
でも、これは「戻してきている」のほうが正しい表現なんでしょうね。
「お店や会社のチカラで戻してきている」のです。
他にも、あまり表に出ていない情報もあります。
例えば、
すでに鎌倉や湘南の有力な工務店には、都内からの移住のための引合いが相次いでいる。
学習塾に通わせていた子供を、親の収入が理由で辞めさせている地域が出てきている。
4月以降飲食店の閉店は多いが、5月以降は出店も増えている。
特に都心を中心に大きな動きが出ています。
が、特に地方で地域に特化した商売をされているところは、あまり実感がないようです。
これを端的に表したデータがあります。
6月の大手住宅メーカーの新築着工棟数は、軒並み昨年対比7割程度でしたが、
1社だけ5割のメーカーがありました。
他と、その会社は何が違ったのか?
その会社は「都市型住宅」で、都市に絞って営業展開していたのです。
と、いろいろな話をしましたが、本当にいろいろな情報が飛び交う中、
大きく社会や経済が変わってきている。
その中での、大きな課題は何かというと「総需要の減少」なのです。
放っておくと、多くの業界で総需要が減少する。
その対策をしっかりと考えておかないといけないことになります。
まずこれが、ひとつの大きな課題です。
実は、この課題をクリアしている会社やお店は、コロナ禍でも売り上げを落としていないのです。
この課題にどう取り組むか。
これが大きなポイントになってくる。
そう、強く感じるのです。
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