この数年で、見事にブランディングに成功した会社があります。
ブランディングどころか、差別化さえ難しい状況。
扱っている商品は「室内ドア」でした。
想像してみてください。
家を建てる時「室内ドア」をしっかりと選びますか?
選ぶのに、どれだけの時間をかけますか?
実は、ドアにはほとんど時間をかけないのです。
そう、ただの家の部品だと思っているから。
でも、そんな状況から、いまや・・・・・
このような状態になっているのです。
もちろん、下請けから直取引+ブランディングなので、収益は倍増。
その会社は、神谷コーポレーションさん
https://www.fullheight-door.com/
この会社を見ていると、本当に勇気が湧いてきます。
家づくりで27番目の部品と言われた「室内ドア」でも、
ここまでできるんだという事実がここにあるのです。
では、どうしてここまでできたのか?
ひとつの大きなポイントは「値上げ」です。
神谷コーポレーションは、もともと大手住宅メーカーのOEM専門のメーカーでした。
でも、毎年毎年単価は下げられ、原料は上がり、工場はフル稼働。
値下げ→忙しい→時間がない→利益がない→次の策が考えられない→ジリ貧
こういったスパイラルにはまり、それでもなんとか!と
思っても、新しいことをする資金と時間がない。
これは、言い訳でもなんでもなく、実質的になかったのです。
「守りながら攻めろ!」
「言い訳するくらいなら、なにかをやれ!」
「やろうと思えば、なんでもできる!」
なんて根性論で現場をけしかけても、実際に新しいことに取り組む時間がないのです。
実際は、このような状況の会社は多いのではないでしょうか?
特に「下請け」的に動いている会社は、どんどんジリ貧になっていく可能性が高い。
『10年後に、うちの会社はない』
考えれば考えるほど、情報を得れば得るほど、そう実感したから、
まずは時間をつくり「値上げをする」ことを決めた。
結果的に、OEMを依頼されていた住宅メーカーと契約を切ることからはじめたのです。
こんな簡単な言葉で言い表していいのか分かりませんが、
「覚悟」を行動にかえたのです。
危機感を持ちながら、「値上げ」に移るわけですが、
もちろん、ただ単に値上げしても、だれも買ってくれない。
「値上げしないとやっていけないなんて、お前のところの都合だけだろ!」
得意先からの、こんな言葉が安易に想像できます。
だからこそ、値上げする価格以上の価値をどう付けていくか?
これを、思いっきり考えられたのです。
結果的に、自社製品のブランディングに成功され、
いまは横浜のショールームに施主さんを中心に、どんどん人がやってこられます。
そして施主さんが、工事を頼んでいる工務店に
「このドアにしてほしい」と言われることもしばしば。
このドアメーカーのドアを、大手の資材メーカーがこぞって真似る現象も起こっています。
この会社の独自化コピーは
「たかがドアから、だからドアへ」
~家づくりの新しい視点が、空間を変えます~
まさに、たかがドアと思われていたものの価値を高め、
だから「このドアがほしい」と思ってもらえるドアへ
ドア1枚で、空間が広く感じたり
ドア1枚で、部屋の趣を変えることができたり
ドア1枚で、家族の絆を深めたり
ドアを通して、施主さんに「できるコト」を考え続ける会社なのです。
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「値下げ」は負のスパイラルへの入り口
正のスパイラルの入り口は「値上げ」
「値上げ」するには?
これを真剣に考えることにより「正のスパイラル」にする。
これからの時代、この視点はすごく大切だと実感します。
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