
「できるだけ多くの人に来てもらいたい」
「みんなにウケるように見せたい」
「より多くの人に響く言葉を使いたい」

──そう思ってしまうのは、自然なことです。
僕も昔はそうでした。なるべくたくさんの人に届けたい、と。
でも、ある時に気づいたんです。
「みんなにウケる言葉」は、誰の心にも届かない。
むしろ、「たった一人」に届く言葉や行動こそが、広がりを生むんだよなって。
◆抽象的になるほど、届かなくなる
たとえばPOPを作るとき
「これ、美味しいです!」
「今、大人気です!」
「夏にぴったり!」
──確かに間違ってはいないし、どこにでもある言葉です。
でも、そこに“誰のために書いたのか”がありません。
届かないのは、“心”に刺さってないから。
そして、“誰に”という具体性がないからなんです。
◆「この人に言いたい」が原点になる
あるアパレル店で、
スタッフさんが作ったPOPに、こんな一文がありました。
「朝の忙しい時間でも、このブラウスなら1枚でサマになります」
──3人のお子さんがいる○○さんにおすすめしたい1枚です。
この一文に、なるほど!と思いました。
“○○さん”というのは実在の人物ではなく、仮の例かもしれません。
でも、この言葉は、
「誰かの暮らし」「誰かの時間」「誰かの気持ち」を想像して書かれている。
だから届くんだよなって。
◆“一人”の奥に、“何百人”がいる
「たった一人に向けて発信して、意味あるの?」
と聞かれることがあります。
あります。むしろ、それしかないと思っています。
なぜなら、
“○○さん”のような状況の人は、世の中に何百人、何千人といるから。
「なんか、私のこと言われてるみたい」
「わかってくれてるなあ」
そう思ってもらえる言葉は、
結果的に“共感の輪”を広げていくのです。
これは販促も、接客も、SNSも、すべてに共通します。
「30代女性向け」よりも、「育休明けで毎朝バタバタのママへ」
「夏におすすめ」よりも、「暑さで寝苦しい夜に、これが助けになります」
「健康にいいです」よりも、「最近、疲れが抜けにくいあなたへ」
“たった一人の状況に寄り添った言葉”が、伝わるコトバになるのです。
【まとめ】
「みんなにウケる」は、誰にも刺さらない
「この人に届く」を意識すると、言葉が変わる
一人の奥に、多くの共感者がいる
まず“目の前の一人”の暮らし・気持ち・時間に寄り添うことから
