
視点ではなく、“起点”から始めよう──売れない理由は、ここにある
「お客様目線で考えているのに、なぜ売れないんだろう──」
現場でよく聞く言葉です。
POPの文言に悩み、SNS投稿に工夫をこらし、丁寧な接客をしているのに、
「なぜか伝わらない」「なぜか買ってもらえない」
それは、もしかすると“お客様の視点で見ているつもり”になってしまっているからかもしれません。
「視点」と「起点」は、似て非なるもの
たとえば、ある店舗で販売していた手作りのジャム。
以前は「国産素材100%・無添加・こだわりの味」という、
いわゆる“商品の魅力”を伝えるPOPを使っていました。

これはまさに「お客様目線」を意識したもの。
──安心・安全を求めるお客様には響くはず。そう思っていました。
ところが実際には、なかなか売上にはつながりませんでした。
お客様の“不”から始めたら、売れ始めた
その後、あるスタッフが言いました。
「これって“子どもに安心して食べさせたい”って思ってるお母さんのためじゃない?」と。

そこで、POPの文言をガラリと変えました。
『子どもに食べさせるもの、迷いますよね。
このジャムなら、安心して“パンにたっぷり”ぬってあげられます。』
すると、その週から売上が明らかに変わりました。
「こういうの探してたのよ〜」と笑顔で手に取ってくださるお母さんが増えたのです。
起点は、“誰かの不安”や“気持ち”から始まる
・誰に、どんなコトができるのか
・それは、どうしてできるのか
コト売りの基本とも言えるこの2文を思い出すと、
やはり最初に考えるべきは「誰かの“気持ち”を起点にする」ことなんだと、改めて気づかされます。

「視点」で考えると、自分が主語になる
「起点」で考えると、相手が主語になる
視点は、“見え方”の話
起点は、“感じていること”の話
これからの時代、商品や情報があふれる中で必要なのは、
「この人は、今、何に悩み、何を望んでいるのか?」という顧客起点に立つことです。
今日からできる一歩
・このPOPは「視点」になっていないか?
・このSNS投稿は「起点」から始まっているか?
・今日会うお客様の“不”に、ちゃんと気づけているか?
すべてを変える必要はありません。
まずはひとつ、目の前の行動から「起点」にしてみてください^^

←NEXT 【その販促物、誰の気持ちから始まっていますか?】
【視点と起点の違い】 PREV→