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売ることより、喜ばせること。スピンズが示した現場発の変革のカタチ

2025/09/12更新:

 

「若い人は接客されるのが嫌い」

ヤング向けのアパレル業界で、これは常識のように語られてきた言葉です。

接客をすれば嫌がられる。だから話しかけない方がいい。

スピンズも、かつてはその常識を疑いませんでした。

売り場を見やすくする。スタッフは声をかけすぎない。

トレンド情報の収集と、他店よりも先に仕掛ける展開スピードで勝負。

でも、競争が激しくなる中で、それだけでは勝てなくなってきました。

 

スピンズは、トレンドを追いかけ、バイヤーが仕入れた商品を各店舗に送り、

店舗スタッフはその商品をきれいに並べる。

トレンドはどんどん入れ替わるので、次々と入荷する商品を店頭に並べることが

店頭スタッフの仕事で、お客様と関わる時間は持てなかったのも事実。

この流れは、業界でも当たり前です。

現場は多くの時間を「作業」に費やす毎日でした。

そして、売上目標が常に頭から離れず、

心から接客を楽しめない空気も漂っていました。

店頭で働くバイトのメンバーの大半は、洋服や古着が大好き。

でも接客には苦手意識があり、「声をかけたら嫌がられるんじゃないか」という恐怖心を抱えていました。

 

そんな中で、スピンズが始めた挑戦があります。

それが「お客様を喜ばせることを、全員で考え、行動に移す」という取り組みです。

きっかけは、横浜ワールドポーターズ店のリニューアルでした。

古着店としてリニューアルオープンに向けたキックオフミーティングで、こう決めたのです。

 

「売上のことは一度脇に置こう。

とにかくお客様を喜ばせることだけを考えよう。」

最初は不安だらけでした。

「若い人は接客が嫌い」という業界の常識もありましたし、

現場スタッフの中には、接客そのものを嫌がる人もいました。

それでも皆で「どうすればできるか?」を考え続けました。

分からないことは、分かる人が教える。

 

接客のポイントと声の掛け方など「私はこうしている」という実体験を共有して

できる方法を皆で考えて行動しました。

不思議なもので、皆で動いていると、

できなかったものもできるようになり、お客様と会話をすると、

たくさん喜んでくれることが出てきました。

 

それを、記録してみようとスタートしたのが「お客様喜ばせシート」です。

・どんなお客様が来られたか

・どんな声かけをしたか

・どんな反応があったか

これをスタッフが記入し、店内で共有する仕組みができました。

シートを通して、スタッフ同士で「こんな声かけをしたら喜ばれた!」という体験が伝わり、最初は接客が怖かったスタッフも、少しずつ自信をつけていきました。

 

こんな取り組みを進めるうちに、大きな気づきがありました。

若い人は「売り込まれる接客」は嫌いだけれど、

「相談に乗ってくれる接客」ならむしろ喜んでくれる。

「話しかけない方がいい」という思い込みが、

スピンズに来る多くのお客様には当てはまらなかったのです。

 

「何かお困りですか?」

「誰かへのプレゼントですか?」

そんな問いかけをきっかけに、お客様は自分のことを話してくれるようになりました。

 

「お姉さんに選んでもらった服が本当に良かった」

「相談できて楽しかった。また来たい」

こうした声が増え、Googleの口コミにも商品ではなく「スタッフ」への感謝の言葉が溢れるようになりました。

売上も人も、変わった

半年後には、、、

・客単価は 2割アップ

・リピートするお客様が増加

・紹介客の増加

・「ここで働きたい」というバイト応募も増えた

そして何より、現場の空気が変わりました。

 

数字のプレッシャーではなく、

「今日はどんな人を喜ばせた?」

という会話が飛び交うようになったのです。

人が育ち、仕事が楽しくなる

さらに、今回の取り組みで改めて感じたことがあります。

 

商売のヒントは、常にお客様の中にある。

 

現場でお客様に触れ、自分が役に立っていると実感した瞬間、

人は成長し、仕事にやりがいを感じる。

 

お客様を喜ばせることは、売上のためだけではありません。

スタッフ自身が「接客が楽しい」「もっとお客様を喜ばせたい」と思うようになる。
それが結果として、数字にもしっかりつながるのだと、スピンズは教えてくれています。

この取り組みは、アパレルだけの話ではありません。

飲食、スーパー、美容室、家電、あらゆる業界に共通することです。

「何を買うか」ではなく、「どんな状況か」

「どんな商品か」ではなく、「その人の暮らしはどうか」

商売とは、人を喜ばせること。

喜ばせた先に、売上は必ずついてくる。

 

「売ることより、喜ばせること。」

それが、スピンズが示した現場発の変革のカタチです。

 

もしあなたのお店や会社が、「売上のための接客」で苦しくなっているなら、

まずは今日一人のお客様を喜ばせることから、始めてみませんか?

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