
「この先、どうなるんだろう…」
世界も経済も、世の中の動きも、先が見えない時代です。
ニュースを見れば、不安な情報ばかり。
ルールも、流行も、驚くほど早く変わっていく。
そんな中、商いをする私たちも、つい立ち止まりたくなることがあります。
「何をすればいいんだろう?」
「この先、どうなってしまうんだろう?」
でも、私は声を大にして言いたいんです。
未来が分からなくても、目の前の誰かは、今ここにいる!
そして商いとは、未来を予測することじゃない。
目の前の誰かを、喜ばせることなんです!

時代を読むより、「今ここ」にいる人を見る
もちろん、未来を読む努力は大切です。
流行やトレンドを知ることも大事。
でもそればかり追いかけていると、疲れ果ててしまう。
情報に振り回され、自分が何をしたいのかさえ見えなくなる。
一方で、目の前のお客様は「今ここ」にいます。
その人の表情、立ち止まり方、ふとこぼれる言葉
そこには、確実に 未来のヒント が隠れているんです。
“目の前の誰か”が未来をつくる
私は22年間、1600社以上の方々と一緒に商いを考えてきました。
その中で何度も確信したことがあります。
それは
未来は、大きな流行やデータが作るんじゃない。
一人のお客様の声が、未来を作るということ
例えば・・・
ある雑貨屋さんでのことです。
40代くらいの女性のお客様が、食器コーナーで立ち止まっていました。
何度も小皿を手に取っては戻す。その様子を見て、スタッフさんがそっと声をかけました。
「もしよかったら、どんなふうに使うご予定ですか?」
するとお客様は、少し恥ずかしそうに言いました。
「ひとり分のおかずを、ちょっとずつ盛りつけたいんです。
最近、家でお酒を飲むことが増えたから。」
スタッフさんはそれを聞いて、すぐPOPを書きました。
「おうち晩酌をちょっと楽しく。
一人分のおかずにぴったりの小皿たち。」
すると、その小皿が次々に売れただけでなく、
「晩酌グッズコーナーを作って欲しい」という声が増えてきたのです。
未来を作ったのは、トレンド予測でもデータ分析でもない。
目の前のお客様の、たった一言の声 だったんです。
ちがった業界で、書店でも。
若い男性のお客様が、ビジネス書の棚の前でうろうろしていました。
スタッフさんが話しかけると、男性はこう言いました。
「何か読みたいんですけど、疲れちゃって重たい本は頭に入らなくて…
でも自己投資はしたいんです。」
その声を聞いたスタッフさんは、店長に提案しました。
「重くないけど、役立つ本を集めたコーナーを作りませんか?」
こうして新しくできたのが、
「疲れていても読める、軽めの自己投資本コーナー」
これが口コミで広がり、
「最近疲れているから、あの棚助かる!」と評判に。
このコーナーを作ったのも、ただ一人のつぶやきから。
目の前の誰かが未来を作ったんです。
売るのは、商品じゃない。未来をつくる「コト」
商いは、モノを売ることじゃない。
誰かの「困りごと」を軽くしてあげること。
誰かの「叶えたいこと」を後押しすること。
そしてそれが、未来をつくるんです。
未来を憂う必要はありません。
未来はまだ来ていないからです。
でも、目の前の誰かは、今ここにいる。
その人の小さな声を聴き、笑顔を引き出せたら──
それが、最高の商いだと、私は思うんです。
先が見えない時代だからこそ、声を大にして伝えたい。
未来を変えたいなら、遠くを見るより、
「目の前の誰か」を喜ばせること。
だから、もう一度問いかけたいのです。
今日、目の前にいるあの人に、
あなたはどんな「コト」ができますか?
その一歩が、未来をつくる最初の一歩だと、私は信じています。

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