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【“売らないのに売れる”が起こるとき】

2025/08/29更新:

 

「これ、欲しいけど…私に似合うかな…」

先日、あるお店で見かけた光景です。

 

若い女性のお客様が、同じ商品を何度も手に取っては、棚に戻していました。

スタッフさんはしばらくそっと様子を見ていて、声をかけませんでした。

すると、お客様が小さな声でつぶやきました。

「これ、欲しいけど…私に似合うかな…」

その一言を聴いた瞬間、スタッフさんはすぐに言葉をかけました。

「もしよければ、一度試着してみませんか?
〇〇さんの雰囲気なら、きっと素敵に見えると思いますよ。」

お客様はパッと笑顔になり、こう言いました。

「本当ですか?じゃあ着てみます!」

スタッフさんは無理に売り込んだわけではありません。

でも結果として、その商品は売れました。

 

これこそが、「売らないのに売れる」という現象なんです。

そして、その秘密は

「顧客起点」にあります。

 

売ろうとすると、売れなくなる理由

商いの現場では、こんなことがよくあります。

「これが今すごく売れてるんです!」

「人気の商品なのでおすすめです!」

「今日はお得なんです!」

どれも正しい情報です。

でも、それを聞いたお客様が感じるのは、時に 「売り込まれている」 という空気。

人は「買わされる」と思った瞬間、心のシャッターを下ろしてしまいます。

そして、そのまま「また考えます」と立ち去ってしまうんです。

 

一方で、こんな経験はありませんか?

「全然売り込んでないのに、お客様が買ってくれた!」

これは偶然ではありません。

その背景にあるのが、顧客起点です。

 

顧客起点とは

お客様の現実の声や感情を出発点にすること。

つまり、お客様が実際に感じている

・不安

・迷い

・期待

・小さな「つぶやき」

そういった 生きた情報 から話を始めることなんです。

お客様は「わかってくれている」と感じた瞬間、心を開きます。

そして自分で決断するんです。

「じゃあ、それください。」

 

それが、「売らないのに売れる」という現象の正体なんです。

小売業で起きた「売らないのに売れる」瞬間

 

さきほどのアパレルのお話。

スタッフさんは、無理に「今流行ってます!」とか

「今日がお得ですよ!」とは言いませんでした。

代わりに、お客様がつぶやいた

「私に似合うかな…」

という不安を起点に、そっと提案しただけです。

 

結果、お客様は試着してみて

「やっぱり似合う!」と笑顔に。

商品を「売り込んだ」わけではなく、

お客様が「自分で欲しい」と思ったからこそ、買ってくださったのです。

 

別の業界でも同じです。

ある美容室で、新規で来店した女性のお客様が、鏡の前で髪を触りながら言いました。

「伸ばしたいけど、毛先が傷んでるんですよね…。」

美容師さんはすぐに「トリートメントどうですか!」とは言いませんでした。

代わりに、こう答えました。

「毛先、確かに少し乾燥していますね。
もしよければ今日は切らずに、栄養を入れるトリートメントだけにしてみませんか?
髪を伸ばしたいお気持ちを大事にしたいので。」

 

お客様はホッとした表情で言いました。

「ありがとう。じゃあトリートメントお願いします!」

売り込んだわけではありません。

ただ、お客様の気持ちに寄り添い、提案しただけです。

 

 

売ろうとするほど売れなくなる。

起点に立つと、自然に売れる。

商いは面白いものです。

頑張って売ろうとすればするほど、

「押しつけ」になりやすい。

でも、お客様の言葉や感情を起点に立つと、

「わかってくれてる」と感じてもらえるんです。

売らないのに売れる。

それは、顧客起点ができているときに起こる、

商いの不思議で素敵な現象だと思います。

 

商いはテクニックではありません。

「この人、私のことを分かってくれている」

そう思ってもらえるかどうか。

今日、目の前のお客様は、

どんな小さな「不」や「つぶやき」を持っているでしょうか?

ぜひ聴きにいってみてください。

きっとその先に、「売らないのに売れる」未来が待っています。

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