今年の3月、新しくリニューアルオープンする古着屋さんで、
経営者の方と一緒に“ある取り組み”をさせてもらいました。
それは「お客様を喜ばせることだけ考えて動く」ということ。
通常、店舗を運営するときは予算とか、採算分岐点の意識があると思うのですが、
そういった数字の意識は、店頭で働くスタッフには一切持ってもらわずに、
お客様を喜ばせることだけにフォーカスしてもらいました。
キックオフミーティングでの、スタッフブレストでは
「どうしたら、お客様に喜んでもらうのか」を考え、
優先順位を付けて取り組む。
それを、マネージャーや本部のデザイン部門などがサポートする。
・現場主導
・お客様との接点第一
この2つをベースに、手段としてコトマーケティングもフル活用させていただきながら、
バイトの方(20歳前後)を中心に動いてみました。
いざ動いてみると、
・あいさつなんてしたくない
・お客様に話しかけるのがこわい
・お客様のほうが知識がある時はどうしたらいいのか
そんな課題が続出。
それを、みんなでひとつひとつ話し合い、
僕たちもアイデアを出し、課題を順にクリアしていったのです。
売上や、利益のことには一切触れず、
ただ「お客様を喜ばせる」ことだけに集中していった結果
先月のミーティングでは、驚くほど変わっていたのです。
・気軽にお客様と話せる
・お客様と話すことが楽しい
・インスタの交換も頻繁
・自分たちで次々と考え動く
・お客様から元気をもらっていると感じるスタッフ多数
・自分のお客様というより、お店のお客様と言う意識で情報共有
そして結果的に
「来店頻度アップ」
「客単価2割増し」
スタッフのみんなの実感値として、
「確実にお客様(顧客→ファン)が増えている」
と感じている状態になっていました。
3時間ほどのミーティングの中で、
取り組んできた報告をお聞きし、出てきた課題についてアイデアを出し、
一緒に考えたりしている中で、ふと思ったことがあります。
「あれっ!?このお店のプロジェクトって、いつからスタートしたんだっけ?」
「お客様と話すのが怖いって言ってたの、いつだっけ?」
それが、7か月前の話しだと気付いたとき、ホントに奇跡のようでした
それほど変化がすごかった。
そして、そこから気付かせてもらうことも本当に多かった。
ある程度の規模になると、どうしても“数字”が頭から離れない。
「それをやったら、売上げがいくら上がるの?」
「お客様がどれくらい増えるの?」
「エビデンスは?」
数字と理由を確認したいのは、失敗したくないから。
売上げをつくるための施策を考えていると、そうなってしまうことが多い。
でも、
「服(古着)を通して、お客様を喜ばせる」
それだけを考え、取り組んでみると結果は大きく変わる。
そして、その実感から
個人にも、会社にも、新たな自信とノウハウが身につく。
数字から離れられない競合他社が気付いていない、
新たな可能性を発見していくのだと実感します。
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