久しぶりに、セレクトショップに行った時にバイヤーさんに面白い話を聞いたんです。
「数年前まで、イタリアのジャケット専業メーカーでスゴク気に入って買い付けてたのですが、
いまではジャケット、セットアップ、コートなどどんどん展開してきて、
以前のような特徴がなくなって、ジャケットでさえなかなか買い付けができないんですよ。
個人的にも好きだったのにな」ということ。
実は、そのブランド僕も買わなくなった。
ジャケットだけに拘るからこそ、そのこだわりが好きだったのに。
「昔はよかったのに」
で、そんな展開をしてきた元専業ブランドがどうなっているのかというと、
1~2年は業績が良くなるけど、
その後は利益率がどんどん低下し、売り上げも伸び悩むと聞きました。
はたしてお客様は、そんな展開をして欲しかったのだろうか?
少なくとも、僕自身はそうは思わなかった。
もっと、こだわり続けて欲しかった。
「昔はよかったのに」
自分たちのブランドは、どこを支持されているのか?
自分たちのブランドは、何を求められているのか?
これを見誤ると、せっかくのブランド価値が台無しになる。
「昔はよかったのに」そう言われることのないように、
長く愛されるために、しっかりと進む方向性を見定めていく必要がある。
そんなことを感じずにはいられない話でした。
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