コンサルタントという仕事をしている中で、業種業態、規模、地域など、
様々な方にお会いしますが、今ほど皆さんが混乱されている姿を見たことがありません。
「何が起こっているのか?」「どうしていいのか分からない?」
どの経営者も悩み、迷っているのを感じます。
少し前に、潜在意識の先生で、尊敬する尾崎里美さんから電話をいただきました。
「私は自殺を食い止めるから、あんたは経済をどうにかして」そう言われて、
また無茶なことをいうなぁと思いつつも、その気になってみたりして。
そんな中いろいろなお話を聞いていて心に残ったキーワードが
「受け入れる」「リセット」、そして「地球に優しく」。
そういえば、
今年の初めに淡路島に伺ったときに尾崎先生が話していたことを思い出しました。
「今年は大変革の年やから、地球に優しくすることを企業も第一に考えてリセットしないとね」まったく同じこと。それをコロナが再確認させてくれているんだと思ったのです。
僕自身、この仕事(マーケティングコンサルタント)をして17年になります。
17年の間には、リーマンショックや東日本大震災をはじめ、災害や細菌などに経済が混乱する中、経営者や商売人はたくさんの困難を克服し立ち上がってきた姿をみつつ、そのサポートをさせてもらってきました。
そのたびに感じていたのが、人にはすごい力があるんだということ。
力を発揮する人は、困難に負けないというよりは、次へすすむために、
困難を「受け入れ」「(いままでのことを)捨てて」「(いまできることに)動く」というのが基本だと言えます。そして、困難を受け入れ対応していると、きっと誰かが助けてくれる。僕の中では、そんな確信に近いものもあります。
ただ、今回のコロナ。
今までにない状態をつくってくれました。
例えば、リーマンショックは金融から始まる信用不安であり、東日本大震災は物理的崩壊による不景気でしたから、遅かれ早かれいずれ元に戻ることを前提に物事を考えられました。
でも、今回は「いずれ元に戻る」は考えられないのです。
それくらい、世の中の仕組みが変わる。商売の常識が変わる。
そう思って取り組んでいく必要があるのです。
だれも見たことがない、誰も経験したことがない社会へ
僕たちの想像力が試されている。
まずは「受け入れる」こと。
この事態を受け入れること。
「でも」「だけど」「だって」という気持ちもわかります。
その中で、一度いろいろなことを受け入れようとしてみる。
怖さを受け入れる。
怖いですよね、日々感染者が増え、死者が出る。
ましてや知人が感染したとなるとなおさらです。
周りを見てください。
テレビのキャスター、政治家から、同僚や家族、となりの人も、みんな怖い。
だれもがどうしていいのか分からない。不安と恐怖でいっぱいです。
だから前代未聞の状態の中にいることを皆で分かち合うのです。
そう、不安を分かち合うのです。
ストレスは感じていますか?
きっと感じていると思います。
だって、自分の意志とは全く関係なしに環境が一気に変わったんですから。
仕事がテレワークになった人は、対応できていますか?
逆に、テレワークじゃない人は、テレワークの人を羨ましがったりしていませんか?
家族は仲良く過ごせていますか?
食事は楽しんでますか?
対応したいけど、そんなに急には対応できないよ!そんな気持ちもあると思います。
ストレスが溜まりますよね。
そしたら、吐き出しましょう。
いいんです、思いっきり吐き出せば。
案外、本音で吐き出すと、人は分かってくれたり、応援してくれたりします。
何より、吐き出すと自分自身が軽くなる。
自分が軽くなると、少しだけ自分にも人にも優しくなれる。
重くのしかかってきたものは、一度はねのけてしまえばいいんです。
生活はリズムが大切です。
朝起きて、夜になると寝る。しっかり食事をして運動をする。
当たり前のことですが、いままで豊かすぎたんでしょうね。自由に動いていいよって言うと、人間って欲望のままに動くもんなんだと今改めて感じます。
家に籠って、テレビやSNSをみていると基本的にネガティブになってきます。
それも当然の話。
そんな時は、いままでの自分を少し振り返ってみる。
きっといろいろな困難を乗り越えてきたでしょう。たくさんのことを実現してきたからこそ、今ここにいるのですから。それは自分にしかできなかったことと考えてみる。
もし失敗したことや後悔していることが思い浮かんでも、何とか乗り切ったことを褒めてあげてください。
ストレス発散している自分を
仕事を続けえている自分を
食べている自分、生きている自分を褒めてあげてください。
生きてるだけで、丸儲けなんですから。
そんな中、いつもと違う時間の中で発見したものってありませんか?
「散歩したら、花がきれいなことに気づいた」
「太陽の光って、すごいパワーがあるよね」
「時間があってはじめてみたけど、ダンスって面白いね」
家族の絆、病気の怖さ、趣味や嗜好など。
この状況で、自分の中に新しい何かを見つけたのです。
これって素晴らしい!
もう、それだけでも新しいことを創造しているのです。
創造できる人は毎日新しい自分と出会います。ですから孤独も退屈も知りません。
できたこと、発見したこと、気付いたことに目を向けると、毎日がワクワクです!
これが、お金では買えない幸せです。
僕自身も、晴天の朝にランニングをしていて気づいたのですが「あぁ、太陽のエネルギーってすごいんだ!」って。
そんな当たり前のことも、今まで気づけなかったんですね。
こうして気付かせてくれたのは、コロナです。
いろいろなことをリセットし、次に向かうために、気付きの時間を与えてくれたのです。
受け入れ、リセットする。
たくさんのことを気付かせてくれるコロナと一緒に暮らしていく。
そう、自然と一緒に暮らしていくようなもので、いろいろなことを見直すことができるいい機会です。
今まで以上に自分の体は自分で守らないといけないし、自分を守ることが自分の周りにいる大切な人を守ることにもなるので、免疫力をアップさせることを考え行動に移していきます。
少し運動をして、少し食事を考え、たばこを控え、睡眠を考えていくと、自分の体の変化を実感していきます。この実感が行動を加速させていく。
そんな新たな行動の中で、住む場所を選びなおすことを考えるかもしれません。
自給自足の生活がしたい人は農業ができる地域へ移り住みます。
子供の育つ環境を大切にした人は、緑の多い、空気のきれいな地域に移ります。
起業を目指す人たちは、起業をしやすい地域に移ります。
高齢者や基礎疾患のある人たちは、医療が充実した地域に移ります。
一人の時間を大切にしたい人、二人だけの時間を大切にしたい人、家族との時間を大切にしたい人など、あれもこれも望めないので、自分が一番大切にしたいものを考えだします。
みんなが、この状況下で「どう暮らしたいか」をしっかりと考え始めるのです。
もしかしたら、こう考える方がいるかもしれません。
「そんな極端に選べないよ」「いろいろな生活がしたいもん」と。
でもね、そんなに贅沢は言えないのです。
何を一番大切にしていくかを考えなおさないといけない。
ただ、最初に決めたことが間違っていてもいいのです。
やり直せばいいだけですから。
そして、それに合わせるように、各自治体は特徴を持たせて「住みたいと思ってもらえる町」にするためにはどうすればいいかを工夫しはじめています。
住んでみて違ったなと思う人は、地域を変え、自分の暮らしを確認していきます。
もちろんどこに住んでも大丈夫なのは、何でもネットで買えるし、教育もどこにいても受けられるし、仕事も離れていてもできますから。
だから、自分自身がどんな暮らしがしたいのかが大切になるのです。
もちろん、人は働く環境も選びなおしていきます。
もちろん仕事の仕方も大きく変わります。
それぞれが、自分のしたいことを真剣に考えだす。
企業のあり方も変わり、何のための会社なのかが誰にでも分かるようになります。
一番大切にするのは「地球に優しい」こと。
そして、人に対して「新しい環境づくりのお手伝い」です。
人の住む環境、人が仕事をする環境が大きく変わるので、そのお手伝いがどうできるかを皆が考えだします。
働き方を大きく変えないといけないところもあるし、
少しだけ変化させないといけないところもある。
大きく変わることを少し想像してみたいと思います。
例えば、外食産業や教育産業。
かつての外食産業は、テイクアウトや宅配が主流になり、いろいろとアイデアを出しながら工夫をしています。先行しているのは、コロナの不安に悩まされていた時から本気でテイクアウトや宅配に力を入れてきたお店です。
当初、「緊急事態宣言がなくなったら元に戻る」「コロナが収束すれば元に戻る」と考えていたお店は、どうせテイクアウトなんかしても大した稼ぎにはならないなどと言いながら、多くのお店がただ回復を待っていた。もしくは、その場しのぎでテイクアウトをやっていた。
そんな中、本気でテイクアウトに取り組み始めたお店は、どんどんお客様のニーズを取り込み、カタチにし、関係性をつくっていったのです。
教育現場も様変わりし、基本オンラインの授業が中心になる。
教師は、今まで以上に生徒に興味を持ってもらえるような授業を考えはじめる。
衣装、話し方、キャラクター、内容などなど、いままで以上に考えている。
オンラインになったので、生徒はどの先生の授業も受けられるようになり、人気の先生もたくさん出てくる。コロナ前の予備校の講師のような状態だ。
勉強の内容も変化してきた。
これまでの内容よりも、より社会で役立つような内容へ。コミュニケーションやストレス解消の授業、そしてお金や潜在意識の授業もあって、みんな興味津々だ。
1年後は、こんな感じになっていることを想像してみるのです。
社会はどんな感じかな?
その中で暮らす人はどんなことを思っているんだろう?
どんなコトに興味を持ち、どんな不安や不満、不便を抱えているんだろう?
社会を想像し、人を想像し、コトを想像することから、新しい経済を創造していくのです。
ここまで、ひとつひとつは細かく書いてはいませんが、コロナと一緒に暮らすことのイメージは少しでも具体的になってもらっていれば嬉しいです。
「えっ!?そこまで考えるの??」
そんな方もいるのではないかと思います。
そう、コロナは収束するからと考えるより、一緒に暮らし続けるのです。
今のちょっとした窮屈が当たり前になる。
それが受け入れるということです。
そうして、考えをリセットする。
そのうえで、何ができるかを考える。
だれも考えたことのない世界です。
だから面白いと思いませんか?
面白いと思った人が、真剣に考えてみる。
そこに明るい光が差し込みます。
「いつかは収束する」
「いずれ元通りになる」
「必ずおさまる」
と考えて待つよりも、
受け入れ、自分たちから順応していく。
「だったら、どうしたらいいのかな」
「こんな状況だからこそ、できるコトがある」
もし仮に、収束したとしても、この考えで行動していくことはその後プラスになることしかありません。
変えられるのは、自分と未来。
そうして未来がかわってはじめて、過去の意味合いが変わってくるのです。
「コロナのおかげで、いま●●●な生活ができている」
となるために。
●●●に入るコトバを決めるのは、他の誰でもない、自分自身です。
だからこそ、いまに集中しましょう。
そして、自分のできるコトに目を向けましょう。
自分も周りも幸せになるように。
きっとできます。
僕たちなら。
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