2年生の春には、種目の変更を顧問に勧められました。
冬には痛みが続いていた膝を手術したため、完治まで約半年。
クラブに顔を出しても、ただグランドの脇から練習を眺めるしかなかった。
そんなとき、顧問の先生がこう声をかけました。
「マルちゃん、木は枯れてもまた生えてくるけど、
腐ったらもう生えてこないんだよ。
『枯れても腐るな』だよ」
グランド脇に咲くツツジ。
春には白やピンクのきれいな花を咲かすが、冬場は葉が落ちて枝だけになる。
先生は、枯れたように映るツツジが、翌年の春再び花を咲かせるのを何度も見ていた。
自然のサイクルと人生を重ね、
「根さえ腐らなければ何度でもやり直せる」と伝えたかったと記事にはありました。
その結果、3年の秋の国体では、変更した種目で優勝という結果を残しています。
その後大学に進み、社会人になっても平坦でない人生を、
先生から送られた言葉を支えに続けた結果、ロンドン五輪で5位に入賞したが、メダルには届かなかった。
他の代表選手二人は、銀と銅のメダルを手にしていたため、
入賞したことねうれしさはあったと思いますが、
メダルに届かなかった悔しさを抱きつつ競技を続けられたのでしょう。
そして、今年4月の選考レースの日本選手権でみごと大会新記録で初優勝し、
東京五輪代表の最後の一枠の切符を手にしたのです。
レース直後の記者会見で彼はこう語っています。
「本当に自分の力だけじゃなかった。皆さんと一緒に歩かせてもらった結果です。
競歩は初めは好きじゃなかったけど、今はすごく好き。かけがえのないものになっている。」
ある高校の文集で、この文章を目にしました。
なにか一瞬で、いろいろなことを思い出させてくれたり、
今あることを整理させてくれたりしたので、紹介させてもらいました。
「枯れても腐るな」というコトバ、本当にそうだと思います。
僕も「腐るな!!」と若いころよく言われましたが、そのころはよく腐りかけてたんだと思います。
言ってもらった方に感謝だなと。
「枯れても腐るな」言った先生も、それを受け取った生徒も素晴らしい。
何より二人の信頼関係があってこそのはなしなんだと思うんです。
思いをもって、伝えるひと
その思いを受け取るひと
その思いの受け渡しができる二人の信頼関係
素晴らしいなと思い、思うだけでなく自分自身も心掛けていきたいです。
伝える側のときもあるし
受け取る側の時もある
何より「信頼関係」なくして仕事も商売もできないのですから。
経営も、仕事も、枯れても腐るな。
そして、伝えたいことが伝わるよう信頼関係を築いていきたいなと思います。
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JA金融法務で原稿を書かせてもらいました PREV→