ご存知のかたも多いと思うのですが、
僕の両親は、京都で喫茶店を経営しています。
いま僕自身がマーケティング・コンサルタントをしているということは、この店を僕は継いでいません。
それは、父の意志でもありました。
「これは俺の店やから、おまえは、おまえの好きなことをすればいい」と。
大学生の頃、この言葉で僕は就職活動をはじめました。
うちの父親は、あまり多くのことを話さないので、この言葉の真意など、詳しいことを聞きたことはありませんでした。
コトバを聞いた僕はそのまま「僕は継がないんだ」と
受け取ったことを覚えています。
ただ、いまの仕事をして色々な経営者の方とお話しする中で、
それぞれの経験の中から、子供に何か伝えようとしているだということに気付き、父親のコトバの真意を少しずつ理解するようになってきました。
僕の父親は婿養子で、少なからず窮屈な思いをして過ごしてきた。
その中で、できることを模索しながら動いてきたんですね。
だから、窮屈な中ではじめた店を継ぐより、
おまえは自由なんだから、おまえの好きなことをすればいい。
「自分のできなかったことをやって欲しい」
そんな思いが、
「これは俺の店やから、おまえは、おまえの好きなことをすればいい」
というコトバに込められていたんだと実感するのです。
もちろん、最初から込められた思いが分かっていた訳ではありません。
最近になってようやく、気付いたのです。
そうやってみてみると、
大切なことは、親の「思い」を継いでいくこと。
その結果で、会社やお店を継いだり、継がなかったりというのが見えてくる。
親が子供を思う気持ちは強烈です。
その「思い」を受け取って、その「思い」を継いでいくことが
すごく大切なことなんだと僕は感じるのです。
←NEXT SNSって大事ですよね?
ただ未来を見るだけでは難しい PREV→