「ザッポス」という会社をご存知でしょうか?
今現在は、アマゾンが買収して、子会社になっている会社なんですね。
それまでのアマゾンは、ほとんどの場合キャッシュで会社を買い取ってきました。いわゆる「傘下に入れる」形をとってきた。
そのアマゾンが、ザッポスだけは最終的に「株式交換」という形をとったのです。
このことが意味するものは「傘下に入れる」というより「ビジネスパートナー」という意味合いが強いんですね。
正直、企業規模ではアマゾンが数段上です。
でも、そのアマゾンがザッポスは傘下に入れるのではなく、
競争相手でもなく、パートナーになりたいと考えた。
この会社、アマゾンにとって脅威だったのです。
放っておくと大変なことになりかねない。
だから早いうちに、パートナーとなっておこう!という感じ。
このザッポスという会社、アマゾンとは全く違う形でお客様に支持されている会社なのです。
ある意味、アマゾンが恐れた会社でもあるザッポス。
何の会社かというと、ネット通販の靴屋さんです。
特にオリジナル商品をつくっている訳でもないので、
アマゾンでも売っている靴と同じ商品を扱っているにも関わらず、顧客から圧倒的な人気を誇るショップなのです。
『顧客に靴を売るのではなく、幸せを届ける』という発想
いやね、言うのはカンタンですよ。
でもね、これが現実にできて、実際にお客様から支持を受けてるってのがスゴイ。
でもね、アマゾンがパートナーシップを結びたいと思ったのは
このポイントでもあるのです。
ある意味、アマゾンは莫大なシステム投資によって、
顧客のデータを収集、分析し、より良い情報をお客様に届けている。
いわば、究極のデジタルサービスです。
その正反対をいくのがザッポス。
人が人に対して、WAO!というサービスを届けていく。
そこにはマニュアルもない。
それぞれが考え、それぞれが裁量を持って、どうしたらお客様に幸せを感じてもらえるのかを考え、其々のお客様に接していく。
究極のアナログサービスとも言えます。
コールセンターに注文の電話がかかってきて、その商品の在庫が切れていたとします。
その場合は、他のWebサイトを調べて
在庫のある他社のお店を紹介する。
こんなことは当たり前の対応になってるのです。
知れば知るほど、一番個性的で、真似できないのは
ザッポスのようなサービスなんですね。
こんな話もあります。
靴のネット販売で、送料は行きも帰り(返品)も無料、365日返品OKというサービスの仕組みを「当たり前」にしてしまったのは、他でもないザッポス。
靴は試着してから買うもの。
それをどうやってネットで売るのか・・・
というハードルを乗り越えるためにザッポスが初めに導入し、顧客の賞賛を得たサービスを、他社がこぞって真似たというのが実際の経緯なんですね。
でもこれって、お客様のことを考えて導入を決めるか、
当たり前になってきたから仕方なく導入を決めるかっていうのは、本当に大きな差がある。
商売で、どこを見てるかってことです。
・お客様か?
・ライバル会社か?
これが、積み重なってくると本当に大きな差になってくる。
このザッポスという会社から見えてくるのは、
・モノではなく、コトを届ける(靴ではなく、幸せを届ける)
・価格以上の価値を創り出し届ける
・常にお客様視点
この3つのポイントです。
ザッポスは、創業以来
お客様にWAO!という体験を届けるのにはどうすればいいのか?
何をすればできるんだろうか?
これを皆で考え、実践してきた。
つまり、
・誰にどんなコトができるのか?
・それが、どうしたらできるんだろうか?
この積み上げが、ザッポスの土台になっているのです。
そして結果的に、誰にも真似できない個性的な会社になっている。
やはりここに、個性的な会社づくりのポイントがある。
そう思えてならないのです。
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