
前回、今の時代は「情報の洪水」によって、せっかくの発信が届きにくくなっているとお伝えしました。
そう聞くと、多くの人は「じゃあ、もっと目立たなきゃいけないんだな」「もっと広告を打って、名前を売らなきゃ」と考えます。いわゆる「認知拡大」に走るわけです。
しかし、ここに大きな落とし穴があります。
今の時代、単に「名前を知っている」というだけでは、お客様は動いてくれないのです。
なぜなら、「知っている」と「選ぶ(買う)」の間に、かつてないほど巨大な溝が生まれているからです。
かつては、テレビCMを流したり、大きな看板を出したりして、とにかく「名前を知ってもらうこと(知ってもらう競争)」に勝てば、商売は安泰でした。
選択肢が少なかった時代は、「知っている=安心」だったからです。
しかし今はどうでしょうか?
スマホを開けば、似たような商品、似たようなサービスが無限に出てきます。
どれもこれも「うちが一番です」「安いですよ」と言っている。
そんな状況で、お客様が一番恐れているのは「失敗すること」です。
「広告でよく見るけど、本当に大丈夫かな?」「有名だけど、自分に合うかな?」
情報の量が増えすぎた結果、お客様の心理は「便利なもの探し」から「信じられるもの探し」へと激変しました。
極論を言えば、SNSでバズって10万人に知られたとしても、そこに「信頼」がなければ、翌日には忘れられます。
知ってもらう競争: 「いかに振り向かせるか」「いかに目立つか」
信じてもらう競争: 「いかに嘘がないか」「いかに味方だと思ってもらえるか」
これからの商売で勝負を分けるのは、広告費の額やフォロワーの数ではありません。
「あなた(の会社)の言うことなら、信じられる」と言ってくれる人の数です。
では、どうすれば信じてもらえるのか?
それは「凄そうな実績」を見せつけることでも、「完璧な理論」を語ることでもありません。
大切なのは、「一貫性」と「顔が見えること」です。
毎日発信している内容と、実際の店舗やサービスの質にズレはないか。
きれいごとばかりではなく、自分たちの想いや、時には失敗さえも正直に伝えているか。
「信じてもらう」というのは、一朝一夕にはできません。
日々の小さな発信の積み重ねが、お客様の心の中に少しずつ「信頼の貯金」を作っていくのです。
もしあなたが今、「もっと有名にならなきゃ」「もっと広めなきゃ」と焦っているのなら、一度立ち止まってみてください。
今いるフォロワーさん、今目の前にいるお客様、そして過去に出会った方々。
その人たちとの間に、どれだけの「信頼」があるでしょうか?
「知ってもらう競争」は、終わりなき消耗戦です。
でも、「信じてもらう競争」は、あなたの会社のファンを増やす、豊かで温かい活動です。
あなたは、どちらの競争に参加したいですか?
次回は、その「信頼」の土台となる、「認知されるより、“ちゃんと認識される”ことの大切さ」について深掘りします。
あなたの商品を、「名前だけ知っている人」ではなく、
「心から信頼している人」は、誰の顔が思い浮かびますか?
