
「うちも口コミを増やしたいけれど、なかなか書いてもらえない……」
「やっぱり、何かプレゼントでも用意しないとダメなのかな?」
そんなふうに悩んでいる経営者の方は少なくありません。しかし、世の中には、こちらからお願いしなくても、あるいは特典など用意しなくても、次から次へと熱い口コミが寄せられる会社があります。
その違いはどこにあるのでしょうか?
結論から言えば、口コミが増える会社は「モノ(商品やサービス)」を売っているのではなく、お客様が誰かに語りたくなるような「コト(体験・変化)」を売っているからです。
今の時代、商品が「良い」のは当たり前。サービスが「丁寧」なのも、お客様にとっては想定内です。
人は、「期待通り」のことが起きただけでは、わざわざスマホを開いて口コミを書こうとは思いません。
「注文したものが、壊れずに届いた」(当たり前)
「依頼した工事が、予定通りに終わった」(当たり前)
「料理が、メニューの写真通りだった」(当たり前)
これらは「モノ売り」の視点では合格点ですが、口コミが生まれる「動機」にはなりません。なぜなら、そこには「心が動く瞬間」がないからです。
一方で、口コミが溢れる会社は、お客様に「予想外のコト(体験)」を提供しています。
例えば、あるリフォーム会社。
単に「壁紙をきれいに張り替える(モノ)」のではなく、「家族が自然とリビングに集まり、会話が弾むようになる未来(コト)」を提案し、実現したとしたらどうでしょうか。
工事が終わった後、お客様が手にするのは「新しい壁紙」だけではありません。「夜、家族で過ごす時間が楽しみになった」という生活の変化(コト)です。
この「変化」こそが、誰かに教えたくなる、あるいは感謝を伝えたくなる「口コミのネタ」になるのです。
口コミが増える会社が、無意識に(あるいは意図的に)行っている「コト売り」の仕掛けは3つあります。
・「文脈」を売る:
「この商品は高性能です」と言う代わりに、「この商品を使うと、あなたの忙しい朝に5分のゆとりが生まれます」と伝える。お客様が自分の生活の中で使っているイメージが湧くからこそ、その「ゆとり」を手にした時に口コミを書きたくなります。
・「関係性」を売る:
「売り手と買い手」ではなく、「同じ目的を持つパートナー」として接する。お客様が「この会社は自分たちのことを本当に分かってくれている」と感じたとき、口コミは「評価」ではなく「応援」へと変わります。
・「感情のピーク」を作る:
納品の瞬間、あるいはアフターフォローの連絡。あえて「商売の効率」とは関係のないところで、お客様を驚かせたり、安心させたりする。その「心が動いた瞬間」が、口コミを書くエネルギーになります。
口コミを「集客のための道具」と考えると、どうしてもテクニックに走ってしまいます。
しかし、「お客様の中にどんな幸せな変化を起こせるか」というコト売りの視点を持てば、口コミは自然と、そして熱量を持って増えていきます。
そして、その「コト」が詰まった口コミこそが、Googleの評価を高め、AIに「選ばれる理由」として学習されていくのです。
では、そうして蓄積された「コトの証拠」を、AIはどう判断するのでしょうか?
次回は、これからのビジネスの命運を握る、「AIに選ばれる会社、選ばれない会社」についてお話しします。
あなたの会社は、「不備のない仕事」で終わっていませんか?
お客様がスマホを手に取り、誰かに伝えたくなるような「コト(心の変化)」を、
今日、一つでも作ることができたでしょうか。
